日本の物流不動産業界の健全な発展のために
日本物流不動産評価機構
有限責任事業組合 日本物流不動産評価機構 代表理事
日本物流不動産評価機構推進協議会 委員長
望月 光政(日通不動産株式会社 取締役)
日本物流不動産評価機構 概要
近年は流通や物流、更には不動産・金融等の経済機能に対するニーズの多様化が進む中で、多くの施設に対して良質な社会資産としての創造が求められています。こうした社会の要請は物流施設に於いても例外ではなく、即ち本来の機能のみならず、資産としてより有効な活用が期待されるようになってきました。とりわけ高度な機能を有する施設に於いては、ファンド運用、証券化など投資や融資対象にまでなってきています。
当機構はこのような社会のニーズにこたえるために物流施設に特化し、その調査・評価・診断を行うことを目的として、各分野の専門家の方々のご協力を得て2005年9月に有限責任事業組合として設立し、2006年4月より本格稼動をいたしております。
なぜ今物流不動産の評価が必要なのか
1.物流不動産投資市場の急展開と評価基準確立の必要性
現在、物流業界は事業構造の変革期にあり、求められる物流施設が大型化、高機能化してきています。これに伴い、他のアセットとは異なり比較的低額な投資で長期安定的に運用できる投資商品として物流施設を捉える動きも広がってきています。これについては、国内初の物流施設に特化した「日本ロジスティクス投資法人」がJ-REIT上場を果たしたことにも象徴されています。また、プロロジスやAMBをはじめ外資系企業を中心に大規模物流施設の開発が相次いでおり、既存物件の流動化もふまえ取得競争が始まっています。
このような状況下では購入に際して、的確な投資適格物件かどうかの判断が求められてきます。当機構はこのような需要に対応すべく、また物流不動産に関わる業種(物流業・不動産業・倉庫業・金融業等々)のプレーヤーの方々の共通言語確立の為に、明確な評価基準を示していきたいと考えております。
2.物流不動産評価の難しさ
物流不動産を評価する点では幾つかの観点から評価した上で、さらに総合的に評価する必要があります。それは物流不動産はビルやマンションとは違い、そのほとんどがテナントの長期間使用できるオーダーメイドに近い形を取っているため、その形や構造・設備が千差万別な為です。 以下、おおまかな観点を挙げますと
・分類(倉庫・配送センター・物流センター・トラックターミナル等)
・機能(保管型・流通加工型・常温・冷凍・一般・営業等々)
・入出庫形態(自走式・ランプウェイ方式・高層・低層等々)
・仕様(エレベータ・床荷重・有効階高等々)
・立地(港・IC・調整区域・市街地等々)
・汎用性(現在の仕様が他のテナントでも使用可能かどうか)
・テナントの妥当性(賃料・会社の将来性安定性)
・テナントの賃借期間(利回りの安定性)
となります。これらを総合的に判断するのは大変困難で、個々の観点での専門家は存在しますが、今まではその全てを理解できる人や機関はほとんど皆無に近い状態でした。その事が「物流不動産は難しい」と言われてきた所以でもあります。
日本物流不動産評価機構の評価方法
当機構では「難しい」とされてきた物流不動産の評価基準を明確に示していくために、各分野の第一線の専門家の方々に評価委員としてご参加いただいております。当機構の評価方法は、評価委員の方々へ、対象物流不動産を(1)建物(2)物流(3)マーケット(4)収益性(5)テナント(6)法リスクの観点から、各々の専門分野の評価を依頼し、最終的に評価委員全員で総合評価を行う方式を取っております。
日本物流不動産評価機構の目指すもの
当機構は実際の評価で得た知識や情報を業界に還元する為に「日本物流不動産評価機構推進協議会」を併設しております。
この推進協議会は、物流不動産関連の有識者の方々の他、物流不動産に従事している方々を会員様として構成しております。活動内容としては「物流不動産関連最新情報セミナー」「会員による各種物流関連研究会」「国内外の物流施設視察」等を計画しております。当機構は、物流不動産の明確な評価基準を示すことにより、現在の混沌とした変革期の中で、物流不動産業界がより成熟した業界に成長する為の一助となること、また従事している方々への知識・情報の発信源になることを主たる目的として今後も活動をしてまいります。
筆者プロフィール
- 望月 光政 (もちづき みつまさ)
- 有限責任事業組合日本物流不動産評価機構、日本物流不動産評価機構推進協議会(事務局)
- 所在地:東京都港区東新橋1-9-3 日本通運本社ビル17F
- TEL:03-6251-6432 FAX:03-6251-6435
URL:http://www.ja-lpa.net/ E-mail:staff@ja-lpa.net



