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マーケティングからロジスティクスの時代へ

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マーケティングからロジスティクスの時代へ 〜マテハンのプレゼンス向上を解く〜

廣田 幹浩(株式会社船井総合研究所 戦略プロジェクト本部ロジスティクスグループ 物流技術管理士)

愛知学院大学大学院 
経営学研究科
教授 丹下 博文


私見の起点

一般的にマテリアルハンドリング(Material Handling:略称は「MH」または「マテハン」)とは、モノを持ち運んだり動かしたりする作業や技術を指し、現代の物流では運搬や荷役の機能を表して使われるのが通例となっている。このためマテハンは、主にトラック輸送に焦点が当てられやすい日本の物流産業のサポート的存在と誤解される嫌いがあったのではないだろうか。
しかしながら産業革命によって機械工業化が進展する以前は、素材(マテリアル)の加工や移動といった生産活動を、人間自身が手を使うこと(ハンドリング)、すなわち手工業によって行っていた。この意味でマテハンはモノづくりを支える重要技術の一つであり、大量生産・大量流通を背景に製造業だけでなく流通業とも深く関わってきた経緯がある。
歴史的にも「ピラミッド」や「万里の長城」といった世界遺産だけでなく、印刷機や飛行機などの多くの画期的な製造物も、すべてマテハンの作業や技術の存在なくしては成し得なかった人類の偉業と言って過言ではない。他方、近代物流への転換点の一つがモータリゼーション(車社会化)の進展と考えられるが、この自動車の製造工程にも優れたマテハン技術が不可欠な点は論じるまでもない。

近代物流発祥の歴史的経緯

機械化と流れ作業による大量生産体制は、ヘンリー・フォード氏による1908年の大衆乗用車の生産開始を契機に米国で確立された。この大量生産を背景に近代物流の発祥は、「マーケティング論の父」と称されるA.W.ショー氏が、古典的名著と評される『市場流通に関する諸問題』を米国で1915年に出版し、このなかで企業の流通活動を需要創造と物的供給に分類した時代までさかのぼる。つまり概念的には前者の需要創造活動が「マーケティング」、後者の物的供給活動が「物流」や「ロジスティクス」へと進化していったわけである。
しかしながらマーケティングが20世紀を通して理論的に大きく発展したのに対し、物流は実践的な要素が強く現れたこともあり、学術的に幅広く研究されてこなかった。現に米国の大学においてロジスティクスの教育は、ようやく1960年代から始められるようになったと伝えられている。ところが近年、企業経営の領域では「物流」に対する関心が急速に高まり、「物流改革」とか「ロジスティクスルネサンス」という用語まで登場するようになった。
例えば米国から日本に物流の機能が導入されたのは1960年代前半で、80年代には物流を戦略的な経営管理の一環と捉える「ロジスティクス」という概念が使われ始めた。その後、90年代には情報化とグローバル化が急速に進展し、SCMや3PLへの関心が高まった。こうして製造業におけるグローバルな事業展開、あるいはマーケティングにおける顧客満足や顧客関係を推進するために、物流の進化形としてのロジスティクスが多様化した。その一方で、3PLやSCMが国内だけでなく国際的な経営戦略の中核に位置づけられるようになってきたのである。
なお、物流・ロジスティクス・SCMの変遷過程は(図1)を参照されたい。

図1 物流・ロジスティクス・SCMの変遷過程
図1 物流・ロジスティクス・SCMの変遷過程

マーケティング効果への疑問

ロジスティクスは本来、兵站(へいたん)を意味する軍事用語であるが、米国ではすでに戦前の1920年代後半に現在使われているような意味での定義付けが行われていたという。したがって「ビジネスロジスティクス」、あるいはロジスティクスの研究がマーケティングに端を発していることから「マーケティングロジスティクス」と呼ばれた。
実際、マーケティングとロジスティクスは別の機能と捉えられるべきではなく、SCMのメカニズムを通して統合されるべきである、と2003年に主張されるようになり、その動向は次のように説明されている。いわく「最近になり伝統的に行われてきたマーケティングの効果について疑問が沸き起こってきた。伝統的な手法では、競争有利は強力なブランド、企業イメージ、メディア広告、そして価格に大きく依存していたが、これらは従来型のマーケティング戦略にすぎない。乱気流のように揺れ動く今日の市場では、魅力的な製品、競争的な価格、創造的な広告だけでは、もはや十分ではなくなった。顧客がより高度な配達サービスを求める傾向が強くなってきたからである」と。
その結果、顧客サービスが多くの産業において競争の主戦場となり、サービスに敏感な顧客が消費市場だけでなく産業市場にも現れた。とりわけ「時間」というものが競争のプロセスにおいて極めて重要な要素となり、あらゆる市場においてより短いリードタイムが求められるようになった。要するに1960年代初期にマーケティングが支配的になって以降、市場環境が大きく変化し、その要因には次の4点が指摘されているのである。
①洗練されて目の肥えた顧客の出現
②製品の差別化に対する技術的困難性の増大
③売り手市場から買い手市場への移行
④供給過剰による価格競争の激化

ロジスティクス重視の時代へ

このように低下傾向にあるマーケティングの効果と対照的に、ロジスティクスの効果が顧客満足とコスト削減の両方に大きな影響を与えることが注目されるようになった。実際、企業がロジスティクスを重視するようになった根拠には(図2)に示したような諸点が掲げられている。  
その第1は、顧客に優れたサービスの提供や低価格を可能にするロジスティクスの改善が企業に競争優位をもたらす点である。第2は、ロジスティクスの改善が企業にとり在庫削減やリードタイム短縮を通して莫大なコスト削減をもたらす点である。第3は、製品の爆発的な多様化がロジスティクスの改善に対するニーズを創出した点である。第4は、情報技術(IT)が物流効率化を推進した点である。最後の第5は、地球環境の持続可能性という観点からロジスティクスが見直されるようになった点である。
ちなみにロジスティクスの目標は、最小のコストで最良の顧客サービスを提供することにあるけれども、現実には最良の顧客サービスと最小の物流コストの両方を同時に達成するのは難しいと指摘されている。最良の顧客サービスとは、素早い配達、大量の在庫、柔軟な品揃え、返品自由などのサービスを示唆し、これらはどれも物流コストを増大させる要因となるからである。これと反対に、最小の物流コストは、配達の遅れ、少量の在庫、大量の出荷単位などを発生させ、顧客サービスのレベル低下を引き起こす懸念がある。
したがってロジスティクスの目標は、最小のコストで目標レベルの顧客サービスを提供することとなり、それぞれの市場セグメントにおいて望ましいサービスレベルを設定しなければならなくなる。企業の目的は単なる売上増ではなく、最適な利益を上げることにあるからである。こうしてロジスティクスの目標が設定されたら、企業は目的を達成するために必要なコストを最小化するロジスティクスシステムを設計することになる。

図2 ロジスティクス重視の根拠
図2 ロジスティクス重視の根拠

マテハンの重要性

今日のグローバル化した市場環境では、製品を販売するマーケティング活動のほうが、販売した製品を顧客へ届けるロジスティクス活動より簡単な場合がある、と主張されるようになってきた。こうしてロジスティクス重視の傾向が強まるなかで最適なロジスティクスシステムを構築するために、保管、搬送、仕分け・ピッキング、情報システムなどの多様な要素を組み合わせた高度で優れたマテハン技術が、製造や流通にかかわる幅広い分野において必須になることは疑う余地がない。とりわけグローバル化によるSCMの拡大傾向や、情報の高度化によるソリューションビジネスの需要増などを勘案すると、マテハン業界のビジネスチャンスは今後増大すると予想される。
結論的に、世界市場の激変によって20世紀末に「物流を制するものは企業、そして社会を制する」とまで唱えられ、21世紀の今日では「マーケティングからロジスティクスの時代へ」という時代の潮流を背景に、企業競争力の源泉となる優れたロジスティクスシステムを構築するうえで重要なマテハンのプレゼンスは、(図3)のようにモノづくりの領域も含めて今後飛躍的に向上するのではないかと期待されるわけである。

図3 マテハンのプレゼンス
図3 マテハンのプレゼンス

筆者プロフィール

丹下 博文 (たんげ ひろふみ)
早稲田大学法学部卒業、同大学院法学研究科修士課程修了。米コロンビア大学経営大学院修了(MBA)、同大学院客員研究員。UCLA(米カリフォルニア大学ロサンゼルス校)経営大学院および社会公共政策大学院客員研究員などを経て、現在は愛知学院大学大学院経営学研究科教授、博士(経営学)。日本物流学会副会長。
E-mail:htange@dpc.agu.ac.jp
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