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欧州物流事情 ~RFID応用システムの動向を探る~

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このところ、「RFID」や「ICタグ」といった用語が毎日の新聞に載らない日はないと言ってよいほど“ユビキタス社会”への関心が高まっています。しかし、そうした社会の到来を期待する報道が多い反面、投資効果への疑問やプライバシー保護への不安など、未解決の問題が山積しているのもまた事実です。
2004年5月から6月にかけて、短期間ではありましたが、欧州4カ国を巡りRFIDを活用している物流現場を視察する機会に恵まれました。その中から、リテーラー(小売業)2社に焦点をあて、欧州におけるRFID応用の動向をご紹介します。併せて、RFID応用システムを物流分野で成功させるための要件についても考察してみました。今後、RFIDをキーとしたビジネスモデルを検討される際のヒントにしていただければ幸いです。


1. 欧州視察のあらまし

今回の視察で訪問したのは、欧州シェア上位の大規模小売業メトロ、テスコ、マークス&スペンサー、およびウイーン市立図書館、ミラノ郵便局、ケンブリッジ大学オートIDラボ、半導体メーカー・インフィニオン社グラーツ研究所の4カ国計7カ所。本稿では、サプライチェーンにRFIDを導入し、先駆的な取り組みを行っていることで有名なメトロとマークス&スペンサーの2社をご紹介します。まず本題に入る前に、RFIDとは何かを簡単に説明しておきましょう。「RFID(Radio Frequency ID)タグ」は「無線ICタグ」あるいは「ICタグ」とも呼ばれ、情報を記録する小型のICチップと金属製のアンテナで構成される媒体の総称です。「リーダライタ」と呼ばれる装置を用いて電波によりデータの読み書きを行います(図1)。

図1. RFID対応型システムの一例
図1. RFID対応型システムの一例

2. メトロ

ドイツ最大手小売りグループ「メトロ」は、店頭とバックヤード(店舗への配送)でRFID活用の導入試行(実証試験)を行っています。
メトログループは28カ国に2,400店舗を展開、年間売上高530億ユーロ(1ユーロ=約138円)でドイツ最大手、EU内では2-3位、世界でも4-5位にランクされるリテーラーではトップレベルの企業です。RFID実証試験を主導しているのはメトロ自身で、SAP、IBM、インテルなど情報システム系企業と提携し取り組んでいます。
実験店舗は、メトロのスーパーマーケット部門「フューチャーストア・エキストラ」のラインベルグ店(写真1)。デュッセルドルフ郊外にある同店は「未来型店舗」としてのさまざまな試みを実施しており、RFIDによる商品流通管理もその1つです。 RFIDの運用は、ケース単位- -サプライヤーからバックヤードまで- と、ピース単位- -店頭在庫からPOS処理まで- の商品管理。その概要は次の通りです。

(1)ケース品での運用

物流センターで商品にタグ(写真2)を装着します。タグは、センター出荷時、店舗バックヤードへの搬入時、店舗バックヤードから店頭への搬入時の各タイミングで読み取られます。読み取ったデータはネットワークを介してデータベースへ送られるため、流通位置と店頭在庫の状況はリアルタイムに画面に表示され、いつでも確認することができます。

(2)ピース品での運用

ピース商品へのタグ装着は限定した4品種(シャンプー、チーズ、ひげ剃り替え刃(写真3)、DVD/CD/ビデオ)のみ。バーコードも装着しているため、タグとバーコードのどちらでもPOS処理が行えます。
新しい試みとしてセルフサービスPOS(写真4)を導入しており、顧客は自分でタグまたはバーコードをスキャンし精算を済ませることができます。ただ、セルフサービスPOSを使う人はほとんど見掛けられませんでした。この試みに対する買い物客の反応は今ひとつのようです。
POSレジを抜けて出口へ向かう場所にタグのデータを消す装置「ディアクティベータ」(写真5)を設置しています。これによりプライバシー侵害が気になる顧客は購入後にタグの情報を消すことができます。昨年は、同装置は設置されていなかったということなので、プライバシー保護への配慮が強化されたといえます。これには、2004年2月にメトロがドイツのプライバシー擁護団体FoeBuD(フォーバド)など複数の団体から“プライバシー侵害”の恐れがあるという理由で抗議を受けたという背景があるようです。

メトロの取り組み

3. マークス&スペンサー(M&S)

M&Sは1884年設立の英国の大手小売り。現在では国内300店舗、1,000万人/週の来客、従業員数6万7,000人、年間売上高80億ポンド(1ポンド=約200円)と名実ともに英国のトップ企業です。洋服部門のシェアは11%と国内で首位。全商品をプライベートブランドとし、サプライヤーと独自の関係を築いています。
以下にご紹介するタグを応用した2つの事例は、ともに2003年から試験運用を開始し、じっくりと検証しながら徐々に、しかも着実に適用範囲を広げています。

(1)生鮮食料品(通い箱)での運用

1973年以来、サプライヤーと同社の配送センター間で「通い箱」を利用していました。2002年秋、メートル法が法制化されたことに伴い、通い箱を全数再製作することになり、その機会にタグの装着を開始しました。
2004年中にタグ350万枚を導入、タグ付き通い箱を食料品サプライヤーを100社にまで広げ、取扱食料品の80%をカバーする計画です。
導入目的は検品のハイスピード化。ウォール型のリーダを用いて通い箱20個のタグを同時に読み取ります。これにより、バーコードでは40秒かかっていた読み取り時間をわずか10秒と大幅に短縮しました。
タグへの書き込み・書き換えはサプライヤー側で行います。書き込むデータは商品名、サプライヤー名、販売期限などでバーコードと同じ内容にしています。このため新システムは従来システムをベースにして容易に導入することができたようです。RFID責任者のStafford氏は、「まずしっかりしたサプライチェーン・システムがあり、その上でRFIDを導入しないと失敗する」、成功するためには「『技術の確立』と『ビジネス・ケース』を両輪に、一歩ずつ進めていくことだ」と力説されていました。
導入コストは、タグ1枚当たり当初は40-50ペンス(1ペンス=約2円)だったものが、現在では同20ペンスにまで下がっています。さらに、タグはリードライト方式のため繰り返し使用できます。同社の試算によれば、通い箱を25回転/週で運用すると7年間で投資コストは回収できるということでした。

(2)紳士服での運用(図2)

紳士用スーツ1着ずつにタグを装着しています。タグはサプライヤーが装着(写真6)し、配送センターから店舗までの間で商品を管理します。現時点では1配送センター、6店舗を対象に試験運用中。商品数は20万点(金額1,400万ポンド相当)となっています。
タグは前述の食料品の事例とは異なり、リードオンリータイプを使用しています。従ってタグのデータはユニークNo.のみ。データベースのマスターと照合することにより対象物の固有情報が明らかになります。
タグで管理するのはサプライヤー→配送センター→店舗と流通する範囲までで、レジでのPOS処理には従来通りバーコードを使っています。
店舗での棚卸し作業は、6,000アイテムのタグを移動(台車)式スキャナ(写真7)で読み取っていくだけ。これにより棚卸し作業が70分で完了。従来、バーコード1点ずつを読み取っていたため数時間を要していた作業を大幅に改善しました。さらに、閉店後に(毎日でも)棚卸しをして、翌朝の開店までに欠品補充することも可能になったということです。これは販売機会ロスを最小化するという大きな効果も生んでいます。
タグのコストは現状1枚35ペンスですが、同社では15ペンスにまで下げたいと考えています。また、消費者プライバシーを侵害することがないよう、販売情報と連動させる運用は一切行っていません。このことをお客さまに告知するため、「このタグは在庫管理のみに使用しています」と明記したパンレットを店頭に置いています。

M&Sの取り組み

4. RFID応用システムを成功させる要件

メトロとM&Sの事例を成功とみるか否かは意見が分かれるところです。ただ、いくつかの成功要因を考察することはできます。

(1)トップランナーとしての挑戦

両社に共通している事柄です。それぞれ業界の先頭集団の立場で他社に先駆けて新しい試みに挑戦しています。そして何がベストかを熱意を持って追求しています。
メトロの場合はラインベルグ店を一種の広告塔として、いろいろなアイデアを試してみようというやり方です。そして、顧客の反応を確かめるとともに、メディアや企業からの取材にも積極的に応じることによって世間の反響を見ようともしています。
他方、M&SはRFID導入以前から自社で構築したサプライチェーン・システムに自信を持っており、しっかりした基盤の上に新しいものを着実に積み重ねていこうという思想が感じられました。

(2)狙いと適用範囲の明確化

タグで管理する範囲を「バックヤード」までとするか、「店頭」まで含めるかによってシステムの性格はまったく違ったものになります。
また、タグを付ける単位を「ケース/パレット単位」とするか、「ピース単位」とするかも大切な要素です。通常、「店頭」まで含めた運用では「ピース単位」のタグ付けが必要になります。両社ともにバックヤードまでの運用は投資効果の大小はともかく、「使えるシステム」となっているようです。
店頭での運用に関しては、M&Sの紳士服の事例は「使えるシステム」といえますが、メトロの現状はまだ「使える」領域に達していないように思われます。
費用面においては、メトロでは単価がせいぜい数百円程度の商品に対して、タグの単価は現状数十円以上です。これでは、商品1つ1つにタグを付けるにはまだ無理があるといえます。またPOS処理においても、バーコードにはないRFIDならではの効果というものが見えていません。
一方、M&Sの紳士服の事例においては単価が数万円の商品に対して数十円のタグであり、コスト面でも妥当性があるといえます。

(3)プライバシー問題への対処

今回取り上げた2社の事例以外にもリテールの物流にRFIDの採用が広がりつつあります。こうした中、消費側では、ピース単位のタグ管理に対してはプライバシー侵害の恐れがあるという反対運動が世界のあちこちで起きています。これは、タグが付けられた(埋め込まれた)商品を持っていると、どこかで(例えばある店舗への入り口に設置されたリーダライタで)データを読まれているかもしれないという不安からです。
自分の持っているバッグの情報(ブランド、商品名、いつ・どこで・誰が・いくらで買ったか、など)をタグ、あるいはタグにリンクしたデータベースに残すという運用は技術的に可能なことです。このようなことが本人の知らないところで進行するのではと心配する人たちが抗議運動を起こしているわけです。
メトロでは「ディアクティベータ」を設置し、購入後にタグの情報を消すことができるという対応を取りました。ただ、本当にデータが消えているのかどうかが疑わしいという声もあったようです。
M&Sの紳士服の事例では、紙製のタグを切り取って捨ててしまうことができ、簡単かつ明快にデータを捨てることが可能です。日本では欧米ほど激しい反対運動は起きていませんが、顧客に信頼してもらうための施策が重要であることに変わりはありません。


5. 今後の取り組み

当社では、バーコードなどの自動認識技術を他社に先駆けて取り入れ、物流情報化を推進してきました。
ここ2-3年のうちに、ケース単位(流通過程での梱包ケースや通い箱など)でのRFID普及は大きく進展することが予想されます。他方、ピース単位でのRFID(物品個々にタグを付与)が市民権を得る日がくるかどうかについては、現段階ではまだなんともいえません。もし、普及するとしても少なくとも5年先ではないかと考えています。
当社ではシステムを構成する要素は、ハードはもちろん、ソフトさらには制御機器や、電子部品についても自社で生産、“技術を確保”しておくことを基本方針としています。グループ内にソフト開発ならびに電子機器の開発・生産の部隊を保有、自社で手掛けない部分については信頼できるパートナーと強い協力関係を築いて調達しています。
今後、RFID関連のハード・ソフト開発(図3)においても、ICチップやタグ、リーダライタなどについては外部調達し、内作とパートナーとの協業のバランスを取りながら、よりレベルの高いソリューションを提供していく考えです。

RFID対話型システムの一例
図3. RFID対話型システムの一例

<Daifuku News No.174 (2004.12)より>

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