走行性能が向上し、導入が一層容易になった電動式の重量級移動棚
走行性能が向上し、導入が一層容易になった電動式の重量級移動棚「レールレス移動ラック」
当社は1982年、電動式の重量級移動棚「移動ラック」を開発、販売を開始しました。移動ラックは、固定棚に比べて約2倍の格納効率が得られるうえ、設備投資が比較的安価であることから、パレット保管が中心となる製造業の製品倉庫や、運輸・倉庫業の拠点などで需要は堅調です。ただ、既設の建屋や2階以上のフロアに設置する場合、床条件や走行レールの埋設工事などが導入時の大きな課題でした。また近年では、物流不動産や3PL業が台頭してきたことにより、設置工事はいうまでもなく、移設や撤去後の原状復帰が容易であることが強く要求されてきています。
本稿では、大幅にモデルチェンジし、簡単な床工事で既設・賃貸倉庫への導入が一層容易になった「レールレス移動ラック」ををご紹介します。
操舵性・直進性を向上、偏荷重にも強い構造
今回モデルチェンジした「レールレス移動ラック」は、移動ラックの電動台車を徹底的にインテリジェント化。複数の車輪を各々独立して駆動させ、個別に動作や速度を制御します。これにより操舵性・直進性を向上して蛇行(姿勢変化)を安定化しました。
また、台車フレーム内に設ける駆動部を均等に分散配置することで、横ずれ走行の最大の原因となる、荷物の格納場所のばらつきによる偏荷重に対しても、影響を受けにくくしました。
横ずれは、S字カーブで戻す
技術的に直進性を高めることができても、設置場所の床の傾斜や、仕上がり具合により結果的に横ずれする場合があります。このため新タイプでは、開閉をするたびにずれた距離だけ元の位置に戻します。この“戻し”の制御には、横ずれの修正量・走行距離・間口長、さらに台車の斜行特性の4項目を使用してS字走行させます(図1)。

- 図1.電動台車の模式図
床工事はマグネットを埋設するだけ
「レールレス移動ラック」は床工事も大幅な簡略化を実現しました。無人搬送車(AGV)の走行ガイドとして実績のあるスポットマグネットを位置検出用に埋め込むだけ。従来、床に取り付けていた走行ガイドのための磁気テープや検出板は不要です。
これにより、移動ラックの設置スペースはフラットな床を保持でき、フォークリフトによる磨耗や破損はなくなります。また、新規はもとより移設や撤去も簡単になり、既設倉庫・賃貸倉庫への導入が一層容易になりました。

- 図2.走行レールの工法からみた移動ラックシリーズ
業界初※、台車間口50m超を実現
操舵性・直進性を高め、姿勢変化を安定化したことにより、1台車あたりの間口は50mを超えるものまで可能になりました。既存機種では18mが限界となっていたため飛躍的な性能アップ、業界初を実現しました。 ※当社調べ
冷蔵・冷凍タイプもご用意
当社では、さまざまなフロア環境に対応して移動ラックが導入できるよう、新しい走行レール方式の開発に取り組んできました。1996年にはレール厚がわずか9mmの「シートレール式」を、2001年には走行レールを不要にした「レールレス式」をラインアップ。ただ、従来のレールレス式は、直進精度や横ずれの補正技術に課題を持っていました。
今回の開発により同機の信頼性は大幅に向上。汎用性の高い標準タイプに加えて冷蔵・冷凍タイプも用意して、移動ラックシリーズ(図2)は一層充実しました。
<Daifuku News No.191 (2009.7)より>



