新しい物流のカタチを創造するFA・DAソリューション
新しい物流のカタチを創造するFA・DAソリューション
さまざまな製品の生産の工程で、あるいは流通の過程で、作業の効率化や簡易化を進め、コストダウンや短納期化に貢献しているマテリアルハンドリング技術。当社は自動車や電機・電子、医薬品、食品、衣料品、日用品などあらゆる製造業や、運輸・倉庫、流通業などの幅広い業界・業態に各種マテハンシステム・機器を提供し、効率的で人にやさしい物流システムを構築。くらしやビジネスのさまざまな場面をサポートしています。
2008年9月に東京ビッグサイトで開催された国際物流総合展2008では、DAシステムとして新開発の高能力ケース自動倉庫「DUOSYS(Synchronized Duo System、デュオシス)」とRFIDソリューション、およびFAソリューションを出展し、数多くの来場者の注目を集めました。本稿では、これらの概要をご紹介します。
高能力ケース自動倉庫「DUOSYS」
消費嗜好の多様化・個性化、商品アイテムの限りない増加など、流通の現場では多品種、小口・高頻度配送に対応する高度なマテハンシステムが求められています。1966年、わが国で初めての自動倉庫を誕生させて以来、当社はトップメーカーとして常にお客さまの物流合理化ニーズを先取りした用途開発、技術開発に取り組んできました。
そして今回、さまざまな自動倉庫システムの構築で培ってきた技術力をベースに、一層の高能力化を実現したDUOSYSを開発(写真1)。ダイフク独自の新しいDAシステムとして位置付けて、販売を開始しました。

- 写真1.高能力化を実現したDUOSYS
DUOSYSは単なる保管システムとしてではなく、その後工程にあたる仕分けや荷揃えまで行える出荷処理システムとして活用できます。最大の特長は、自動倉庫の1アイル(通路)に2台のスタッカークレーン「ラックマスター(RM)」を設置。同調制御技術により、RMが互いに干渉を避けてすれ違い、入出庫を行うようにしたこと(世界初、特許申請中)。それを2層構造にして、1システム計4台のRMを同時に稼働させることにより、1時間当たり最大2,200ケースという非常に高い入出庫処理能力を可能にしました。
さらにDUOSYSは、単なる生産性の追求だけでなく、時代が求めている次世代物流に対応する機種です。立体的な仕分けシステムのため、ソータのような平面的な仕分けシステムと比べて省スペース化および省人化を実現(図1)。また、物流センターにおいては、前工程のシステムとの平準化と荷捌き場のカテゴリー別(店舗別・通路別)仕分けを簡素化することにより、大幅な人員削減を実現し、物流センター全体のバランス化に貢献します。以下、DUOSYSの主な特長を紹介します。

- 図1.従来システムとDUOSYSによる新システムの比較
■ 超高能力
2,200ケース/時という処理能力は、同じスペースで従来機「マジックソーティングシステム(M㈽)」(330ケース/時)を使用した場合の6倍以上の処理能力を誇ります(図2)。

- 図2.自動倉庫の高能力化の変遷
■ エコロジーシステム
RMの軽量化設計により、消費電力を低減。さらに、必要な処理能力に合わせて、RMの稼働台数や走行速度を最適化させることに加え、RMの減速時に発生する回生電力を他のRMで使用することによって、システム全体の省エネルギー化も図っています。
■ ノンストップシステム
4台のRMを独立して稼働させることができるため、システム全体が一度に停止してしまうことはありません。
■ 高いメンテナンス性
1台のRMがメンテナンス中でもシステムの運用が可能。各RMの稼働回数をコントロールすることによって計画的なメンテナンスが行えます。さらに、予知予報システム「DAGUARD(ダガード)」(図3)によっても、メンテナンスをより計画的に実施することが可能です。
DUOSYSは立体的な仕分けシステムであるため、マテハンシステムだけでなく物流センターの規模を縮小することも可能。建築費などの投資金額を抑えることができ、トータル的に効率の高い設備投資を実現します。

- 図3.DAGUARDの機能
RFIDソリューション
当社はマテハンシステムの開発とともに、RFIDを活用したソリューションにも注力しています。一層の作業の効率化や、トレーサビリティに代表される管理精度の向上などを図るためには、RFIDは欠かせないものとなっています。
物流展では、超広帯域無線の「UWB」と、極超短波である「UHF」を用いた物流現場におけるRFIDソリューションを紹介しました。入出荷エリアや平置きエリアにおいて、高度な位置検知機能と一括読み取りによる商品の入出荷管理を実現します。
UWBの無線通信技術は、他の通信方式に影響が出ない程度の微弱な電波を広い帯域に渡って発信することで、高速通信と高精度の位置検知が可能、という特長があります。当社はこの技術を、坂村 健・東京大学教授が所長を務めるYRPユビキタス・ネットワーキング研究所の仕様に基づき、高精度位置検知システムとしてアプリケーション化しました。
■ 使用機器
カゴ車には、電池を内蔵し自ら電波を発する長距離交信が可能なUWBのアクティブタグと、電源を持たず短い交信範囲に特長を持つUHF帯のパッシブタグを組み込んでいます。また、カゴ車に積まれているコンテナ1つ1つにもパッシブタグを貼付。そのタグそれぞれと交信するリーダ/ライタとしては、UWBは天井の四方と奥側真ん中の計5本のアンテナにより位置検知を行います。また、UHF帯タグの一括読み取りを行うのが、ゲートに取り付けた4つのアンテナです。
■ 入出荷検品(UHF)
入荷商品または出荷商品を積載したカゴ車がゲートを通過すると同時に、カゴ車とカゴ車に積まれている商品の情報を即座に読み取ります(写真2)。この段階で入(出)荷予定データと照らし合わせることで入(出)荷検品をすばやく、正確に行うことが可能になります。万が一、欠品がある場合には画面に「NG」が表示され、さらに何が足りないかがひと目で分かります。

- 写真2.入出荷検品画面
■ 位置検知(UWB)
平置きエリアでは、UWBの測位技術により、誤差30cmという高精度でカゴ車の位置を検知します。これによりカゴ車単位でのロケーション管理を実現。画面にはエリア内にあるカゴ車が表示され、その移動に合わせて画面表示も変化します(写真3)。今回、この平置きエリアはフリーロケーションを想定。空いているロケーションにカゴ車を置き、一定時間停止することでロケーション情報が確定されます。従来、ロケーションの確定には、カゴ車、ロケーション、それぞれのバーコードをスキャンすることでひも付けを行っていましたが、その作業は不要になります。
出荷作業においては、モニタと同じ情報が表示される携帯端末の検索ボタンを押すだけで、必要なカゴ車および物品がどこに置かれているのかを表示。探し回る必要がなく、作業効率の向上が図れます。

- 写真3.位置検知画面
FAソリューション
■クリーンFAシステム
半導体製造の現場、クリーンルームで活躍する「クリーンウェイ(CLW)」を出品(写真4)。CLWは300mmウエハ対応の搬送システムで走行速度200m/分、分岐・合流も自在に行えます。このCLWには、粉塵が発生しない無接触給電方式「HID(High Efficiency Inductive Power Distribution Technology」を採用しています。

- 写真4.クリーンウェイ
さらに当社は、工場全体の生産性を大幅に向上する半導体ソリューションDaifuku Advanced Transport System「DATS」を提唱、独自の運行管理システムを開発しました。●あらかじめ搬送先の近くまで運んでおく事前搬送、●工程の進捗状況を予測し台車を到着させる予測搬送、●作業状況に合わせてフレキシブルな対応を自動的に行う行先変更搬送-など、効率化を最優先に考えた制御を実現。製造装置を最大限に活用できる自動搬送を可能にしました。これにより、少ロット生産や生産リードタイム短縮に対応するとともに、コストパフォーマンスにも優れた、トータルシステムソリューションをご提供しています。
■ 自動倉庫を活用したFMSの事例
当社滋賀事業所で稼動している、自動倉庫を活用した2種類のFMS(Flexible Manufacturing System)を紹介しました。その1つ機械加工FMSは、4台の工作機械と自動倉庫を組み合わせたもの(図4)。治具パレットに装着された加工部品を自動倉庫に一時保管し、生産スケジュールに合わせRMが自動で工作機械に搬送します。多品種少量生産を効率的に行う同システムは夜間に無人で工作を進めることも可能です。

- 図4.機械加工FMSシステム構成
また、FMSをさらに発展させ塗装工程にも活用しています(図5)。小物品(数㎏)から重量品(1t)までのさまざまなパーツを、独自に開発したハンガパレットに吊り下げて格納・搬送。水洗いから塗装、乾燥などの各工程間をRMで自動搬送することに加え、保管棚をクーリング棚として使用しています。塗装プロセスには、薬液・塗料・水を扱う装置や、約150℃の熱風を用いる焼付炉もあり、複合的な特殊環境への対応を実現しています。

- 図5.塗装FMSシステム構成
当社は創業以来「国内外に最適・最良のマテハンシステム・機器を提供し、産業界の発展に貢献する」ことを経営理念の柱として歩んできました。そして2007年、お陰さまで70周年を迎えることができ、これを機に新コーポレートスローガン「Material Handling and Beyond」を制定。マテハンを基幹事業とし、“モノを動かす”ことを通じて“人々の心を動かす”企業であり続けたいという想いを込めています。今後も技術・製品・国内外のネットワークなど、さまざまな面で進化を続けながら、常にお客様の事業の発展にお役に立てる企業であり続けことを目指していきます。
<Daifuku News No.189 (2008.12)より>



